結婚というものに夢を見すぎなのだろうか。

世間でよく聞く甘い新婚生活ってやつはきっと幻なんだ。

好きじゃないけど一緒にいるの?

「ズミ子ちゃんのことは好きじゃないよ」
「俺はもう誰のことも好きになれない」
「結婚するって好きとか嫌いとかそういう問題じゃないから」
「ズミ子ちゃんは結婚に夢見すぎだよ」
「好きだけど、恋愛感情としてじゃなくて、家族みたいな、愛おしいって感じ」

まだ家族にもなってないのに、付き合って1年そこらで言われた言葉がこれ。


ちょっと様子がおかしい人かな?
と思われがちなこの発言ですが(?)、彼の今までの経験を考えると仕方がないのかなと私は思ってしまったのです。


彼は2度の離婚を経験しています。
理由や経緯はふわっと聞いた程度で、深くは知りません。

今時バツが何個付いていようと珍しくも思わないし、そこは大きな問題ではないと思っています。

終わらないように努力する必用もあるのかもしれないけれど、どうしようもなく許容できず合わないという結果だってあるんだから、私には何にも言うことはできません。

どちらが悪かったとか何がいけなかったかなんてわからないけど、でも彼は心に深い傷を負っているのです。


また人のことを本気で好きになって、またその全てが終わってしまうことがこわいと感じているからでしょうか。
もうあの辛い気持ちを味わいたくないから、それなら最初から心に壁を作って、後から傷つかないようにしようとしているのでしょうか。



それとも本当に私のことなんてなんとも思ってなくて、ただの都合の良い女と思っていたんでしょうか。



『彼にとって私って一体何なのだろうか』


私は最近までずっとこの疑問に苦しめられてきました。

『どうせ彼は私のことなんて好きじゃないから』
『たまたま私だっただけで、別に私じゃなくてもいいんだろうな』

っていつもそう考えてしまっていて、卑屈になるしかありませんでした。
彼にとって都合がいい人間じゃなくなったら切り捨てられるのかもしれないとまで思ってました。

そんなことを考えて、枕を濡らす夜がどれだけあったことでしょう。

そこまで彼に固執する自分もおかしいんだろうなと思うこともあるけど、それはまた別の話として置いておきます。




プロポーズされる数ヶ月前にある事件がありました。

思い出したくない記憶なので内容は割愛しますが、その結果もうほぼ二人の関係が終わりに近いところまでいきました。
それから彼はこの関係を考えて、もう終わりを決めた私に手紙をくれました。
そこには、ちゃんと私のことを好きになっているし、これからも一緒にいたいと書いてありました。

今はもう、ちゃんと私のことを好きらしいです。



ほんとかな?


いままで信じられないことはたくさん言われてきていて、
『もう誰も好きにならない』とか厨二みたいな発言もどういう気持ちで受け止めればよかったのか未だにわからないのだけれど。


でも単純な私は、ただただその言葉が嬉しくて、ずっと言ってほしかった言葉がそこにあることに歓喜して、本当に本当に単純すぎておめでたいやつなのかもしれないけど、ただその一言で『これからも一緒にいようね』ということにしてしまったのでした。



彼の深い深い心の傷は、私にさらけ出す気は毛頭ないようで、私がその部分も含めて彼を許容できるか、全ては私次第なのだと彼は言います。


とはいっても正直私はよくわからない。
ずっとよくわからないままかもしれない。

根掘り葉掘り聞きたいわけじゃないけど、さらけ出したって私はそれによってどうこう思うことはないよ。きっと。たぶん。


まあそういう問題じゃないのかもしれないけど。